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(29/AUG/2004) 2004 アイアンマン・コリア  (by アニー長田)

<いよいよアイアンマンへの挑戦だ!
           やるべき事はやって来た!>


 当日朝、5:30にビーチへ。バイクのセッティングしていると、ウェットさんの放送が 耳に入る。やはりスイムは、キャンセルされた。 う〜む、これってやはり、チャンスなのか?アイアンマンを満喫するにはスイムない のは物足りないが、今回のように企画がからんでいると、苦手のスイムがない事は、 自分には有利に運ばれでいるのでは・・・もしかして、10年に1度の好機!? スイムキャンセルの場合、バイク、ランのディュアスロンとなる。ゼッケンNo1から 順番に、5秒ごとにスタート。スタートは8時からとなる。但し、終了時刻は12時のま ま(1時までと変更された)。つまり制限時間が1時間短縮。更には、今回1100人程の エントリーだが、後半のアスリートがスタートするのが9:30〜10:00。つまり彼らの制 限時間は15時間程度に短縮される。とどめは後半スタート組みは年代が大きい組と女 性という、弱者に厳しいアイアンマンになってしまった。しかも強風吹き荒れる中、 完走率は低くなる事が予想される。 そんな中我々は、コンドに戻って一休み。 8:00花火と共に、IMコリアは始まった。 次々と選手が、バイクスタートしていく。 アニーはゆっくりアップを始める。
そしていよいよ、スタートラインに。9時頃かな?静かに緊張と闘志が体内を流れ る。周りの声援が一瞬聞こえなくなる。 「スタート!」 このような始まりは今まで経験ないので、戸惑うかと心配したが、そんなの感じる暇 もなく、飛び出して行く。最初ゆっくりで、だんだんペースつかんで・・・無理だ! 周りは全部同じ年代のライバル達。のんびりなんてしてられない!! 因みに今回40〜44クラスは約250名参加と、最も多い。対するハワイ枠は8。少しは チャンスあると、思うしかない!
バイクコースはしばらく登り坂。途中、同じミッションの村橋さんをパスする。坂が 終わるとコースは市内へ。緩やかなアップ、ダウンの道である。そこでモーターバイ クに乗ったジェロさんが待ち構えており、撮影に入る。こちらも一段と力が入り、ス ピードアップ。 その後大通りを走るのだが、どうも様子がおかしい。スピードがのらない。50k程 走ったあたりからだ。今度は抜かれるようになる。コースは海岸線に出るが、相変わ らず調子が悪い。前半オーバーペースだったようだ。後悔先になんとかとは良く言っ たもの。我慢の走りに徹する。昨年より、90kのタイムが悪い!!杉沢さんと会う。 彼も前半飛ばしすぎたようだ。2人とも表情が硬いのは少し笑える。 コースは段々と登りが多くなって行く。それに伴い、身体が再度動くようになってい く。コリアはジャパン程坂はきつくない。が、一箇所大きな登りがある。傾斜は、 8〜10% か?僕は10はないと思うのだが、事前説明ではそうなっていたそうだ。それは 100k過ぎ、カーブを曲がると突然現れる。500m位あるのかなぁ?事実、選手がいきな り蛇行をはじめたり、バイク降りたりしだす。アニーはインナー38に変えていたの で、そんな辛くはなかった。そしてここから山岳パート。どちらかといえば、皆生の コースに近い。ドーンと下ってそのまま上る。坂の途中までは下りの勢いを生かせる コースが多い。が、ここでメカトラ。アウターからインナーにシフトすると、チェー ンが落ちてしまう。それを何度も繰り返し、その都度降りてチェーンをはめる。工具 ないし、そのまま行くしかない。いける所はアウターでがんばり、やばい坂はおも いっきりスピードダウンして慎重にシフトを変える。ここを抜けて後半は下りがメイ ンのコースレイアウトとなる。ここでいかに遅れを取り戻せるかだ。が、結局取り戻 せず、6:12:14でバイクを終える。昨年が6:10だったので、更に遅くなってしまった ・・・衝撃は大きい。これではランを3:45位で走らないと、目標クリア出来ない。更 にはトランジットに山口さんが飛び込んで来た。彼は自分より数分遅れでスタートし ている。と言う事は、バイクラップ負けている。ランの実力は彼の方が数段上だが、 まさかバイクで負けるとは、さらに大きな衝撃が襲う!!

 気を取り直してランスタート。ライターの吉村さんが声援を送ってくれる。「大丈 夫、まだランで挽回出来る!」今回は、あまりうれしくなかった。山口さんにはじ き、抜かれるだろうし・・・ 走り出して1〜2k、トイレからでると、背後に山口さんが。しばらく並走し、やがて抜 かれる。さすが、走りの勢いが違う。バイク6時間そこそこでいってるはずだから、 彼の走力からいえば、4時間は余裕で切れる。せめて彼だけはハワイゲット出来るか も。がんばれ、山口!!! 走ってみると、自分の走りもそんなに悪くはない。ジャパンの時はランにならなかっ たが、今はキロ6分を切るペースで走れている。この分なら、4hそこそこで走れるはず だ。後はこのフォームを崩さぬ事。 頭の中ではアテネオリンピック、競泳金メダリストの柴田亜衣選手じゃないが、[あ わてず、あせらず、あきらめず」が繰り返し流れる。「胸を張って、腕を振って、腰 を入れて、脚が自然と前に出る。」呪文のようにこの二つを繰り返す。 しばらくすると、一時離されていた山口さんの背中が見えて来た。エイドで止まる時 間が長い。一方アニーは水とスポンジを受け取るとすぐ走り出すので、差が縮む。そ して彼の足が止まり、歩き始める。「そんな!?まさか彼が?」 やがて追いつく。
「山口さん、どうしました?さあ、行きましょう!」 「バイクで飛ばしたらしい。脚が・・・」 「ロングではなにが起こるかまだわからない。諦めず、進みましょう!」 なんて台詞を言っていたらしい。 とにかく、2人で走り始める。もともと走力はあるのだから。こうしている間にも、 次々と前行く人を追い抜いて行く。やがて調子が戻ったのか、彼はスピードにのり、 アニーは取り残される。が、彼の背中を見ながら、力が沸いてきた。途中、サンフラ ンシスコから来たという男性と仲良くなり、言葉を交わしたり、バイクで何回か出 逢った仲村さんと応援し合ったり、ロングはいろいろな出逢いがある。 10kの折り返し、山口さんの脚が再び止まる。 「動かない。完走目標に切り替えます。」 走力ずば抜けていた彼から信じられない言葉。結局彼は初めてロングのランで4時間 以上かかってしまった。これも、アイアンマンか? 不本意ながらもTJ組トップになったアニーはプレッシャーを感じながらもランは軽 かった。ハーフ折り返しで1:55分位だったのかな?(実は時計スタートするの忘れて いて、正確に把握に把握出来なかった) この分だと4時間切れる!とは、思わなかった。そんな甘いものではない。4時間〜15 分というのがその時の予想。けっこう正確。恐らく次の10kが一番辛いはずだ。 その予想通り、がまんの走りとなる。エイドで立ち止まる時間も長くなる。数人に抜 かれるようになる。再度フォームチェックだ。と、また走れるようになる。杉沢さん やマリと会うのも力となる。 そして最後の折り返し。少しペースを上げる。また抜くようになる。残り7k、ロング スパートをかける。5k、更にペースを上げる。が、同じ事考える方も多く、そうは抜 けない。しかしここまで来たら、全力尽くすのみ。風がまた強くなり、帽子が飛ばさ れそうなので手に持つ。あと少し。 応援、声援が多くなって来た。せめて精一杯の笑顔で答える。ゲートが目に入る ウェットさ んの声が聞こえる 「Mighty!!!!」そして・・・・・・  ライターの吉村さんに一言「すいませんでした!結果出せませんでした!」 不本意な成績。だがこれが今の自分の実力。あの時点での、自分の持てる力は出した と思う。 翌日、ロールダウン会場。 切符は、男女合わせてたった7枚。エイジ31位の自分には無縁だが、今回参加した。 40〜44歳カテゴリー、1枚で終了。が、その後上のカテゴリーの該当者なしの為、あと 2枚降 りて来た。1枚はすぐ該当者現れ、最後の1枚、韓国の選手の名が呼ばれるがいない。 次呼ばれたのが日本の選手。彼、ガッツポーズをし、立ち上がるともう涙が止まらな い。そのままサインをしに行った。 感動的なシーンとなった。これもアイアンマン。 我々のカテゴリー最終的に11枚の切符になったとさ。これもアイアンマン。本当、何 が起 こるかわからない。
 マリは惜しくもエイジ5位。今回韓国選手のレベルが飛躍的にアップしている。そ りゃ、韓国の大会なのに、日本人がハワイ獲りに来る、彼らとしてもおもしろくない だろう。逆の立場ならおもしろくない。はともかく、彼らの大きな努力には感動を覚 えた。そして我々は、もっと強くならなければ(もちろんマナーも!)。世界のどの 大会に出ても上位に食い込める、それ位の力がないと、ハワイは難しいようだ。やれ やれ、まだまだこの奥深い競技、やめられそうにない。時間と身体とサイフの中がゆ るす限り・・・やはり、トライアスロンが好きだから、かな?月並みですが。 そうそう、今回ランコース若干変わったのは、参加者からコースがきつすぎると言う 意見が多かったそうだ。が、十分きついコースにかわりないと思うけど。 さてと、長い間お付き合い頂き、ありがとうございます。そろそろこの連載も終わり かな?
 ちなみにTJはまだ継続します。アニーも来年まで参加するので、皆見ておくれ。 今年の挑戦はお・わ・り。いくつかまだ大会はでます。来年?まだ何も。ただ今、や はり悔しさはかなり感じているので、また何か挑戦します。これは約束。 本当多くの方たちの協力、応援があり、ここまでやってこれました。この場を借りて 厚く御礼いたします。 夢は、あきらめなければ、自分を信じ、貫きとおせば、いつか必ず実現するもの。自 分に負けず、一歩一歩進んで行けば、いつの日か、必ず・・・ それでは皆様、またTJ報告させて頂きます。その時まで、しばらくお別れ!

 (レポート by 元祖アイアンマンへの道:アニー長田)





上画像:苦しそうに歪んだ顔が、スギの身体の異常を知らせている。 帰国後の検査で食中毒だった事が分かった。 良くそんな状態で完走出来たものだと感心するが、 後から考えると脱水症状で危険状態だった! ホント良く生きて帰ったもんだ!

下画像:ゴール後、愛息の聖也君と一緒にカメラにおさまる。 完走した事への満足感が顔に出ている。 良く頑張った!

 <結果>
順位名前タイムスイムバイクランエイジ
135アニー長田10:29:1000:006:12:14(39)4:13:30(32)エイジ31位
376マリー長田11:49:5700:007:23:14(5)4:22:31(4)女子?位/エイジ5位
869スギサワ14:54:1300:007:23:44(153)7:24:14(201)エイジ187位
*(順位)はエイジ中。


アイアンマン・コリア・オフィシャルサイト


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Photo by Sungjo Yoo, JongKwang Lee
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